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エンタメ

映画監督 脚本家 井上淳一さん/極め人

映画監督 脚本家 井上淳一さん

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「被爆者の声」伝える姿 映画に

  社会派の映画監督、脚本家として活躍する井上淳一さんがこの夏、被爆者の手記を30年以上も朗読してきた俳優・渡辺美佐子さん(85)のドキュメンタリー映画を製作している。「戦争を体験した世代の俳優が平和を希求する姿に胸を打たれました。その思いを引き継いでいく」と言葉に力を込める。
 初恋の少年を広島の原爆で失った渡辺さん。彼をしのんで1985年から毎夏、被爆者の手記を朗読する舞台「夏の雲は忘れない」に出演し、全国を巡演してきた。出演者の高齢化を理由に舞台が来年で終わることになり、渡辺さんの姿を映像に残そうと決意した。

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無関心な層にこそ届ける

 7月初旬に広島市内であった公演や、少年の母校だった広島二中(現観音高)の慰霊碑で彼の名前を見つめる渡辺さんの姿をカメラで追った。一緒に朗読に取り組む日色ともゑさんら俳優のインタビューも収めた。「渡辺さんら俳優たちは、被爆死した一人一人に愛する家族があり、生活があったことに思いをはせ、稽古では涙を流しながら手記を読んでいた。戦争の犠牲の上に今の日本があることを、忘れてはいけない」
 ドキュメンタリー映画は、擬人化した「日本国憲法」を渡辺さんが演じる一人芝居の映画「憲法くん」(12分)とセットで来年5月の公開を目指している。「自民党の憲法9条改正案も出る中、映画は社会に何も問い掛けなくていいのか、という焦りがありました。無関心な層にこそ、届けたい」



いのうえ・じゅんいち 1965年愛知県犬山市生まれ。早稲田大在学中から故・若松孝二監督に師事。監督作品に「戦争と一人の女」(2013年)、「大地を受け継ぐ」(15年)、脚本に「アジアの純真」(11年)、「あいときぼうのまち」(14年)など。



★ここが知りたいQ&A

・愛猫家で知られていますね。
 ネコが好きな理由は、僕がいなきゃだめだと勘違いさせてくれるところかな。写真は、野良のころから育てたメチコといいます。
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・大切な人は?
 やっぱり母(写真右、左は父)です。母の誕生日が渡辺さんと同じと知り、偶然にびっくりしました。
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information
 「止められるか、俺たちを」(10月公開、白石和彌監督)の脚本を担当。師匠・若松孝二監督率いる若松プロに集った若者たちの物語。勝ち組ではなく、挫折していった仲間の姿を描いています。
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