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エンタメ

「恋のしずく」出演 小野塚 勇人さん/エンタメNOW

「恋のしずく」出演 小野塚 勇人さん 
酒の伝統守る青年 魅力的に

 東広島市西条を中心に撮影された映画「恋のしずく」が20日から全国公開されます(広島県内の映画館では先行で公開中)。ワインソムリエを目指す女子大生が、酒蔵の街で日本酒の魅力と恋に目覚める物語。主演した川栄李奈さんの相手役を務めた俳優・小野塚勇人さん(劇団EXILE)に作品の見どころなどを聞きました。


1019_12_13面ワイド1.jpg おのづか・はやと 1993年、千葉県出身。2010年から劇団EXILEの舞台に出演。その後は舞台だけでなく映画、ドラマなどでも活躍。「仮面ライダーエグゼイド」(16年、テレビ朝日)など。18日から放送のドラマ「妖怪!百鬼夜高等学校」(BS日テレ)で主演。


 ―作品の見どころは。
 登場人物の成長の過程が丁寧に描かれているのが、作品の魅力の一つですね。僕の役の莞爾は、大杉漣さんが演じた蔵元の父に猛反発する息子。困難を乗り越え、新しい銘柄「命なりけり」を生み出します。莞爾は、まさに人生のターニングポイントを迎えるのです。序盤はやんちゃな莞爾が、物語が進むにつれて日本酒と真剣に向き合っていく心の変化を出そうと、演技にも腐心しました。
 また、酒造りの場面も、監修をしてくださった広島杜氏組合長の石川達也さんの指導でこだわって描かれ、専門家が見てもうそがない映像になっています。僕も新酒の香りをかいだり、口に含んだりするシーンでは本物のしぐさに見せるために、丁寧に教えてもらって撮影に臨みました。

1019_12_13面ワイド2.jpg「僕は莞爾のように、不器用じゃないですよ」と笑う小野塚さん


 ―川栄さんが演じたヒロイン詩織と莞爾の恋の行方も大切な要素です。
 男として不器用なキャラクターの莞爾は、詩織から向けられる恋のまなざしに対して、鈍感なんです。しかも、彼女に対して、ぶっきらぼうに接してしまう男子です。2人の恋がどうなるのか観客に想像してもらうようなラストシーンも用意されているので、楽しみに見てほしいです。
 今になって客観的に「莞爾」というキャラクターを振り返ると、詩織に対して具体的な行動を起こさない彼に「それ、どうなんだよ」って思っちゃいますね。僕は彼のように消極的で不器用じゃないですよ。
 一方では、蔵の伝統と日本酒という文化を守ろうとする彼を、すてきだと思います。

 ―今年2月に亡くなった大杉さんとの思い出は。
 大杉さんと僕はぎくしゃくした関係の親子で、けんかするシーンばかりでした。大杉さんは撮影以外の場でも僕とは距離を取って、うまくいっていない父と息子の雰囲気をつくろうとしていました。また、60年以上も西条で酒造りをしていた役柄を自然に演じようと、撮影の合間に街をよく散歩されていたそうです。そんな大杉さんが役に臨む姿勢や場の空気をつくるうまさを、全力で学びながら演じました。

 ―撮影中は随分、地元の日本酒を味わったそうですね。
 そうなんですよ。「役作り」という名目で、石川さんや杜氏を演じた小市慢太郎さんたち共演者と毎日のように地元の酒を酌み交わし、日本酒のおいしさを学びました。米とこうじと水だけでできているのに、蔵によって味が全然違います。そこが奥深いんです。日本酒は悪酔いするイメージがあって苦手だったのですが、今では同世代に日本酒の良さを伝えたいと感じています。
 飲み会以外でも、今回の現場は雰囲気が良くてキャストの仲も良かったです。控室が、撮影場所となった酒蔵の居間で、みんなでこたつに入りながらお弁当を食べるなど、お正月みたいでした。人見知りの川栄さんも自然に打ち解けていましたね。スタッフとキャストが長い時間一緒に過ごせた東広島でのロケは楽しかったです。

 ―どんな俳優に成長していきたいですか。
 この作品で、大杉さんの存在感がとても刺激になりました。撮影中、大杉さんの演技に鳥肌が立った瞬間がありました。共演者にそう思わせる役者さんって、そうはいません。役者人生で得た多くの経験が、醸し出すものだと思います。演技が上手下手だけじゃない、何かを伝えられる俳優になりたいです。そうなるためには、目の前の現場を一つ一つ全力でこなすしかないですよね、きっと。

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1019_12_13面ワイド4.jpg川栄さんが演じる詩織㊨と莞爾の恋の行方も、作品の見どころ


映画情報
監督 瀬木直貴
脚本 鴨義信
音楽 高山英丈
主題歌「細雪」和楽器バンド
出演者
川栄李奈、小野塚勇人、宮地真緒、中村優一、蕨野友也、
西田篤史、東ちづる、津田寛治、小市慢太郎、大杉漣

写真提供:©2018「恋のしずく」製作委員会