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特集

〜「恋のしずく」ロケ地を巡って〜ときめく季節 東広島 (4/4)

特別インタビュー
 主演を務めた川栄李奈さんに、作品の見どころや撮影現場での思い出などを聞きました。撮影後に亡くなられ、この作品が遺作となった蔵元役の大杉さんが生前語った思いも紹介します。


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橘詩織役 川栄李奈さん
【Profile】かわえい・りな 1995年神奈川県出身。2010年からアイドルグループ「AKB48」のメンバーとして活動し、15年に卒業。演技力を高く評価されており、今年は、ドラマでは「健康で文化的な最低限度の生活」(フジテレビ系)、「夕凪の街桜の国2018」(NHK)、映画では「センセイ君主」など。10、11月には舞台「カレフォン」で主演。



地域の愛に包まれ演じる

 ―初主演の映画ですね。
 うれしかったですね。主演は、周囲の助けや支えがあって初めてできるんだなと実感しました。キャストやスタッフの皆さんには、とても感謝しています。

 ―作品の見どころは。
 見終わった後にほのぼのとした余韻が残る作品です。大勢の人たちが関わって一つのモノを作り上げる時の熱量が、スクリーンににじみ出ているのも魅力ですね。日本酒好きの人は、絶対に飲みたくなりますよ。
 私が演じた詩織が酒造りを学び、周囲の人々との出会いによって成長していく姿は、作品の見どころの一つです。

 ―役作りはどのようにしましたか。
 日本酒に詳しくないところや、負けず嫌いで心(しん)がある性格など詩織と私自身の共通点が多く、役作りは特にしていないです。自然体でそこにいればいい、という気持ちで撮影に臨み、広島の空気感や他のキャストのキャラクターが詩織をつくってくれました。大変だったのは酒造り。監修してくださった杜氏(とうじ)さんの指導を受けながら、酒造りの所作を学びました。重くて暑くて...重労働でした。日本酒はとても繊細。温度などが少し違っても味が変わってしまいます。こんなに愛情注いで、日本酒って造っているんだなと改めて思いました。

 ―地域の人たちが映画作りに参加し、盛り上げた作品でもありますね。
 皆さんがボランティアで炊き出しなどをしてくださり、ありがたかったです。こんなに地域の方たちが協力してくださった映画への出演は、初めてです。ただ、この夏の豪雨災害でロケ地の一つになった酒蔵などが大きな被害に遭い、胸が痛みました。災害前の古里の美しい風景を、地元の人たちに映像で見ていただけたらいいですね。

 ―蔵元役の大杉さんが撮影後の2月に亡くなり、遺作となりました。
 役を体現するさんは、画面の中ですてきな役者さんでした。さんが撮影を全て終えて帰られる日に、キャストやスタッフでバーベキューをしました。その時に、「またどこかで、ご一緒できる日が必ず来ると思います」と言ってくださったのが、心に残りました。実現できなかったのは残念だけど、映画の中にさんはずっといます。ご一緒できて良かったです。

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乃神輝義役 大杉 さん
【Profile】おおすぎ・れん 1951年9月27日生まれ。74年から88年まで、太田省吾主宰の「転形劇場」で舞台俳優として活動。 80年「緊縛いけにえ」で映画デビュー。主な出演作品として、映画「ソナチネ」「ネコナデ」「蜜のあわれ」「シン・ゴジラ」「アウトレイジ 最終章」「教誨師」などがある。2月21日、66歳で死去。


 蔵元役を演じた大杉さんは2018年2月に亡くなられました。撮影が始まった17年11月に大杉さんが語った、映画にかける思いはー。

現場の「志」を反映
 ―大杉さんは日本酒がお好きですか。
 いろんなお酒を飲みますから、もちろん嫌いではないです。西条のお酒もいただきましたが、とてもおいしかったです。広島に着いて、まず、宿の近くのお好み焼き屋さんに行ったんですね。そこのおかみさんに、「広島にはいくつもおいしいお酒がありますよ」とたくさん銘柄を教えていただきました。広島に来て、時間がたっていませんが、日本酒の宝庫なんだなと実感しています。

 ―脚本を読んで、受けた印象を教えてください。
 日本酒をテーマにした話ですが、生きざまというものが良い形で描かれていると思いました。ちゃんと気持ちを込めて演じないと映画の面白い部分、良い部分が表現できない。みなさんこの映画に真摯(しんし)に向き合っている印象で、良い作品に仕上がるだろうと、今から楽しみにしています。

 ―広島県への印象や思い出はありますか。
 広島には映画の撮影やテレビドラマの撮影でお伺いして、僕にとっては非常になじみのある場所なんですよ。東広島は今回が初めてなんですが、広島市や尾道、呉、北広島といろんな場所でそれぞれの作品を作らせていただき、ご縁があるなと感じています。映画監督の新藤兼人さんが撮られた最後の映画「一枚のハガキ」。新藤さんはずっと広島のことを愛されて、多くを経験されている広島という土地で、最後まで戦争はだめだと言い続けていました。人は必ず死にます、みんな死にます。ただ、死んでもちゃんとその映画に対する愛情やモノを作りたいという思いは残り続けていくと教わったことを思い出します。

 ―映画を見てくださる方へメッセージをお願いします。
 気持ちが通った映画になりそうな気がしています。スタッフやキャストの姿勢が前向きで、志がある現場だと感じました。そういうものは作品に反映されると思います。

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